佐倉市防災ユニバーサルパークプラン
(佐倉市都市防災公園・仮設住宅建設候補地の連絡網)
佐倉市防災ユニバーサルパークプラン
(佐倉市都市防災公園・仮設住宅建設候補地の連絡網)
大災害が発生した場合、緊急避難場所は近隣の小・中学校及び公的建物が指定されているが、避難者が多すぎて入りきれない、集団生活に馴染めない、狭所・混雑に耐えられずに車中生活やテント生活に移行する方々が必ずいることは、過去の災害経験から明らかです。そのような状況を鑑み、仮設住宅候補地の広場、公園を一時的な避難場所として利用が考えられます。
大きな面積を持つ各応急仮設住宅候補地を防災一時避難所、及び応急支援物資一時収集場とし、各地域の防災場所へ移送する手段が考えられます。しかし非常時の混乱の中、指令室が何処が何をどの位必要としているかを把握しなければ、その振り分け移送は困難です。各地によって被害の種類、被害状況が違います。各地の防災組織がその地の状況を把握し、防災拠点に伝えられるよう、普段から連絡網を構築しておくが必要があります。
以下の防災ユニバーサルパーク構想は、平常時から連絡網を築き、万一の時に備え、共通の防災意識を持ちつつ、平素から公園・広場の整備やイベントを通じて相互に連絡しあい、互助と防災意識を高めあいましょうという構想です。
この構想の実現には、平常時に防災フェスタのような催しを互助し、楽しく笑顔で語り合えるコミュニケーションの場が必要です。この組織を持続させるためには、義務感のみでは失速するでしょう。平素からお互いのイベントを協力しあえる市民の組織、ボランティア感覚のグループ形成が好ましいと考えます。
勿論、最初からこのネットワークが構築することは出来ません。先ずは ① 市の防災指導、援助を受けつつ各所の防災地点に防災組織を作る、② 市に防災組織を登録する、③ 各防災地点のネットワークを構築開始、④ 各防災地点の組織間連絡協議会作成、⑤通常時のイベント、防災訓練の互助体制確立 というように、数年計画で全体ネットワークを完成させることが必要です。
令和6年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」において、平地が少なく建設候補地の確保が課題となったため、内閣府から「自治体において、事前に建設候補地リストを整備・更新することで、応急仮設住宅の早期着工・引渡しが可能となるので検討すべきである」との提言がなされています。
市有地等の中から、21カ所の候補地を選定しました。
西志津スポーツ等多目的施設用地、ユーカリが丘南公園、ユーカリが丘北公園、七井戸公園、山王公園、直弥公園、干場公園、井野西谷津公園、上志津原街区公園、遠間作公園、井野中学校、御伊勢公園、生谷公園、八幡台3号公園、内郷街区公園、若宮台公園、尾山公園、駒返公園、前原公園、佐倉城址公園自由広場、佐倉城址公園大手門跡地広場
選定条件は下記のとおりです。
〇 敷地や周辺道路を含め、土砂災害等、二次的な被害を受ける危険性がないこと
〇 ライフラインの整備・建設型応急住宅の資機材の搬入が容易であること
〇 被災地に近い位置や被災者の生活圏に近い位置であり、コミュニティ単位での入居が可能な、まとまった土地であること 等
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液状化危険度マップ上に、上記応急仮設住宅候補地をプロットしてみました。
赤丸箇所が面積 2万㎡以上の応急仮設住宅候補地で災害支援物資や資材搬入拠点と成りえる場所、黄色で示した箇所は 2万㎡以下の応急仮設住宅候補地を示しています。公表面積はカッコ内に示しています。
◎ 佐倉城址公園を中央指揮所とし、西志津スポーツ等多目的施設用地、ユーカリが丘南公園、七井戸公園、山王公園、を地域防災拠点として相互に連絡網を構築し、各地域の被害情報を中央指揮所へ伝達すると共に各防災拠点と情報を共有し、援助物資の過不足を互助しあう構図です。
いずれの地も、液状化対象外または液状化は極めて低い箇所となりますが、佐倉城址公園は鹿島側の増水や液状化により、西部地区と遮断される恐れがあるため、中央指揮所 兼 東部地区の地域防災拠点とすることが望ましいと思われます。
この応急仮設住宅候補地のうちで、災害時の防災拠点と成りえる2万㎡以上の仮設住宅候補地をリストアップし、その地の特徴を上げてみました。
印旛沼低地より高い位置
洪水・内水氾濫に比較的強い
👉 広域避難場所として優秀
佐倉城址公園自由広場: 284,000 ㎡
広大な敷地(歴史公園・自然公園)
台地上に位置(比較的高台)
森林・芝地が混在
都市公園として整備済
芝生広場・空地が一定規模存在
ヘリポートや物資集積が可能
👉 鹿島川の増水や液状化により西部と遮断される恐れがあるが、鹿島川東側地区の防災拠点と成りうる。
284,000 ㎡という広大な面積を持つ公園。ただし、佐倉城址公園は台地の上に立地しているが故に、周囲は急斜面・切通しで、豪雨・地震で斜面崩壊によって、アクセス道路が遮断されるリスクを否定できない。この地は、地形的に孤立リスクを内包しており、防災拠点としては補完的機能に留めるべきと考える。持続的な救援活動を担うには、アクセス性と機能性を備えた別拠点との連携が不可欠である。
結果、一次避難場所としては優秀、しかし 広域防災拠点としては単独では不適と言わざるを得ない。
この地は、佐倉市役所と隣接しており、指揮・指令所及び鹿島川東側地区の防災拠点としての機能を優先すべきと考える。
周囲に被害危険場所無く、
1. 平坦・広大・可変空間 。
テント・仮設住宅・物資集積可能
区画分け・用途変更が自由
重機・車両が入れる
2. アクセス性が高い(孤立しない)
ヘリの離着陸可能
住宅地に近い
複数ルートで接続可能
高低差が少ない
西志津スポーツ等多目的施設用地: 25,000㎡
(住宅密集地の中にあり、全面フラットな芝生広場、ヘリ救援物資などの受入良好で展開型拠点の位置づけが考えられる。)
広場内部に大型倉庫が無く、物資格納倉庫を設備する用がある。また、日陰・遮蔽物不足で夏の熱中症リスク、冬の寒さ対策必要また、雨展示は機能低下の可能性あり。
⇒ 非常用大型テントや物資格納倉庫を整備することにより防災基地、防災拠点化が好ましい 。
非常時は機材の一時集結地、広域支援拠点と成りうる。
非常用電源・水・トイレは既に整っており、通信は後付け可能。
コンテナ型防災設備と相性が良い
「あとから完成させられる土地」
リハビリステーション、スポーツ、イベント等、遊休地にならず市民の健康維持、コミュニティーの場として防災公園化が可能。
ユーカリが丘南公園: 21,000㎡
(フラットな芝生広場・60%、ヘリ救援物資など受入可)モノレール架橋と隣接しているのが難。
◎ 地域拠点:大型公園(地域避難拠点)
リスク;
高架モノレール隣接
落下・倒壊・部材飛散リスク(低確率でも存在)
👉 長期滞在型避難には不向き
ユーカリが丘北公園: 21,000㎡
(フラットな芝生広場・30%、ヘリ救援物資など受入やや難)
◎ 地域拠点:大型公園(地域避難拠点)
リスク;
大型車両展開が限定的
ヘリ不可
👉広域支援拠点になれない
山王公園: 20,000㎡
(フラットな芝生広場・80%、送電線に隣接しヘリ受入れにやや難)
リスク;
進入・離脱ルートに余裕がない
安全空域が確保できない
佐倉市防災ユニバーサルパーク構想
(佐倉市都市防災公園)
1.提案の背景
南海トラフ地震や首都直下地震は、30年以内に高い確率で起こると予測されています。
いつ、どのような条件下で発生するか分からない大規模地震に備えて災害状況に応じた機動的な対応ができるよう、万全の応急対策体制のシステムを構築しておくことが重要であり、都市防災力の向上と防災組織の形成が全国の自治体で重要課題となっている。
2.構想の目的
市の指揮・援助の元で、中核拠点から市内21拠点を連携させた都市防災ネットワークを形成することで、日頃からの防災訓練や知識の共有化を図り、万一の大災害発生時に対する避難・支援の互助体制を構築する。
3.中核拠点
佐倉市役所を指令所とし、市内21拠点の位置、立地条件から防災ネットワークの中核となる場所を選定する。また中核拠点には、中核拠点としてして機能する条件を揃えていく。
各地に指定された20,000㎡以上の広さを持つ仮設住宅候補地防災拠点との4か所を防災拠点として整備し、各地域防災場所との連携を図る。
1)災害時の応急物資や支援物資の基点として有効な面積があることから、4か所の地を中核拠点とする。
2)市内21拠点の位置関係から見て、この4か所を防災ネットワークの中核拠点として機能する条件を備える。
市内の公園、広場、学校など、下記仮設住宅建設予定地の21拠点をネットワーク化することで、広域避難拠点から生活圏避難スペースまで段階的な防災構造を構築する。
西志津多目的施設、ユーカリが丘南公園、ユーカリが丘北公園、七井戸公園、山王公園、直弥公園、干場公園、井野西谷津公園、上志津原街区公園、遠間作公園、井野中学校、御伊勢公園、生谷公園、八幡台3号公園、内郷街区公園、若宮台公園、尾山公園、駒返公園、前原公園、佐倉城址公園自由広場、佐倉城址公園大手門跡地広場。
5.防災ピラミッド構造
都市防災ネットワークは次の三層構造で構成される。
① 指令拠点:佐倉城址公園自由広場(広域避難・仮設住宅)
② 中核拠点:西志津多目的広場、ユーカリが丘南公園、
七井戸公園、山王公園 (広域避難・仮設住宅)
③ 地域拠点:大型公園(地域避難拠点・仮設住宅)
④ 生活拠点:街区公園(生活避難スペース)
6. 想定避難能力
1)西志津広場の面積25,000㎡を基準に避難スペースを3㎡/人で計算すると役50%を避難スペースとすると約4,500人のを確保できる。これは市内有数の避難拠点となる規模である。
2)佐倉市人口約17万人に対し、21拠点の合計避難能力は数万人規模となる可能性がある
7.平常時の活用
平常時には健康・福祉・交流の公共空間(高齢者リハビリ、幼児の歩行練習、子供の育成場所、地域イベントなど多世代交流の公共健康増進空間)及び地域の防災訓練、研修場所として活用し、災害時には避難・支援拠点として機能する『防災ユニバーサルパーク』の整備を提案する。
8.行政の主導・管理の元で、地域防災組織、市民団体が連携する運営
行政、地域防災組織、市民団体、企業が連携し『佐倉市防災ユニバーサルパーク機構(仮称)』を構築することでネットワーク運営、訓練、イベントを実施できる体制を整える。
9.市民参加型公園管理
芝生や公園管理などを市民ボランティアと協働で行う体制を整え、経済的で持続可能な公共空間管理モデルを構築する。
10.経済効果
健康増進、健康年齢の向上、地域交流、イベントの開催などにより地域活性化効果が期待される。
11.他都市事例
近年、多くの自治体で公園、空地を防災拠点として活用する政策が進められており、本構想はそれらと同様の都市モデルとしている。
各地の防災組織作り ⇒ ネットワーク構築 ⇒ 連携方式確率」
本ネットワーク構想は、将来的に印旛沼流域や北総地域との広域防災ネットワークへ発展させる可能性を持つと考えます。